法律学習といえば条文ですが、行政書士試験は条文を覚える勉強は必要なのでしょうか?
それとも特に暗記する必要はなく、テキストでの学習で良いのか?

 

今回は筆者が実践した条文の覚え方などについて解説していきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

条文を勉強する必要はあるの?

 

行政書士試験の受験勉強をしていると、ついつい疎かになってしまうのが条文の勉強です。

 

受験勉強の方法は、予備校や通信教育、独学などがありますが、基本的にはテキストや問題集を使って学習します。その中で、当然条文も勉強しますが、全ての条文について解説しているわけではなく行政書士試験によく出る条文や重要な条文を中心に掲載しているはずです。これはこれで効果的な学習方法なのですが、読んだことのない条文がある、というのはあまりおすすめできません。頻出条文を勉強することは効率は良いですが、当然ながら、それ以外の条文も出題される可能性はゼロではないからです。

 

従って、一度でも良いので、一通り条文を読んでみて下さい。
時には、こんな条文を出題するんだ、というくらいマイナーな条文が出ることもあります。そういった条文は殆ど解ける人がいないから気にしなくて良い、という人もいますしそれも間違いではありません。全ての条文を勉強していたら、多くの勉強時間が必要となります。
頻出条文をよく勉強して必ず得点できるようにしておくことは短期間で合格するために必要な勉強方法です。

 

しかし、ケアレスミスや、正解率の高い問題を間違えてしまうこともあります。
そんな時は他の問題を正解してカバーしなければなりません。結局、自分を助けてくれるのは自分の知識しかなく、あとで後悔しても遅いのです。完璧に網羅することは難しいですが、色々な条文に触れておくことで、正解できる場合もあります。そして、その一問が合否を分ける結果となったり自分を救ってくれることもあるのです。

 

また、記述式では条文そのものの意味を問う問題もありますし、条文を駆使して解く問題も出題されます。つまり、条文の学習は記述式の学習に直結しており、条文の学習をすれば記述式も解けるようになる可能性が高くなるわけです。記述式は配点が高い重要な問題なので、できるだけ多く得点しておきたいところです。そのため条文をしっかりと学習して対策していく必要があるのです。

 

 

 

条文は暗記する必要があるの?

 

では条文の勉強が必要だとして、暗記する必要はあるのか?

 

結論から言うと、一言一句暗記する必要はありません。
行政書士試験の科目すべての条文を覚えるとなると、かなり大変ですし、数年はかかってしまうでしょう。効率が良い学習方法とは言えませんよね。

 

暗記の必要性がないのは、条文からの出題としては、条文の正誤などを問われることが多く、暗記が必要となるような出題は少ないからです。そのため条文を丸々暗記する必要はないですが、正誤を問われたときに答えられる程度には覚えておく必要があります。

 

ただし、数字に関しては要注意です。条文には年数や日数など数字が出てきます。これだけは暗記しましょう。択一式もですが、記述式でも数字に関する問題が出題されることがあるからです。何年以内に○○しなければならないとか、〇年で時効となるなど。




条文のおすすめの覚え方

 

では、具体的にどんな勉強して、覚えていけば良いのか?

 

条文の覚え方として私が効果的だと思ったのは、条文を読んだら人に説明することです。
恐らく、条文を勉強する殆どの人は、読んで理解して終わりだと思います。読まないよりは良いのですが、これには意外な落とし穴があります。

 

それは本当には理解出来ていないことがあるということです。

 

読んでいると理解できている気がするのですが、それを人に説明するとなると出来ないことがよくあります。条文はルールなので、読んだままの意味なのですが、解釈の仕方が複数できるものもあります。また何気なく読んでいる言葉でも、「どういう意味?」と聞かれると意外に答えられないものもあります。
「こういう解釈も出来るけど、どっちなんだろう」
「こういう場合はどうなるんだろう」
人に説明することでこういった様々な疑問点が出てきます。これは本当に理解していないからです。

 

理解できていることを覚えるのは楽ですが、理解できていないことを覚えるのはかなり苦労しますよね。従って、理解しているというのは覚えるためにも、とても重要なことなのです。

 

しかし、勉強は一人でしていることが多く、説明出来る相手がいないという人もいるかと思います。そんな時は、人がいるつもりで説明してみるのがおすすめです。これだけでも十分に効果があります。

 

またノートなどに書いて解説してみるのも効果的なのですが、これは時間がかかるというデメリットがあります。なのでノートなどに書いて解説する場合は、丁寧に書く必要はありません。誰かに見せるわけではないので、関係図やイラストを交えながら、簡単に書きましょう。

 

もう一つ、おすすめの覚え方があります。

 

それは問題を作成するという方法です。
行政手続法の第5条2項を例にとって説明します。

(審査基準)
第五条 行政庁は、審査基準を定めるものとする。
2 行政庁は、審査基準を定めるに当たっては、許認可等の性質に照らしてできる限り具体的なものとしなければならない。
3 行政庁は、行政上特別の支障があるときを除き、法令により申請の提出先とされている機関の事務所における備付けその他の適当な方法により審査基準を公にしておかなければならない。

 

「行政庁は、審査基準を定めるに当たっては、許認可等の性質に照らしてできる限り具体的なものとしなければならない。」
この条文を「行政庁は、審査基準を定めるに当たっては、具体的なものとする必要はない」という風に問題を作成します。
この場合、答えは誤りです。
「行政庁は、審査基準を定めるに当たっては、許認可等の性質に照らしてできる限り具体的なものとしなければならない。」としているので、できる限り具体的なものにしなければなりません。

 

このように自分で問題を作成して覚えていきます。この方法のメリットは条文をしっかりと読むことができるという点です。よく条文を読んで理解していないと問題が作れないからです。

 

この勉強法についての詳細についてはこちらの記事をどうぞ
覚えられない人へおすすめの行政書士試験合格に導いた勉強法

 

 

 

【まとめ】

 

私が初回の受験失敗で痛感したのは、条文の大切さと条文の勉強不足でした。

 

テキストや問題集でも、条文は数多く掲載されています。その勉強をしっかりやってきた自負があったので、試験にもそれなりの自信がありました。

 

しかし、それでも合格には届きませんでした。

 

そこで見つめ直したのが条文の学習です。
条文はテキストや問題集でしっかりと学習し理解していたつもりでしたが、それは本当には理解できていませんでした。条文は法律学習の基礎とも言えますし、法律学習そのものとも言えます。テキストや問題集にばかり目が行くと、足元をすくわれる危険性があります。

 

そうならないよう、しっかりと条文を学習して、万全の状態で試験に臨みましょう。




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