行政書士試験においてテキスト(参考書)選びは重要です。
行政書士試験対策のテキストは色々と出版されているのでどの教材を選べば良いか悩む人は多いと思います。
そこで今回は現役行政書士の立場からおすすめのテキストを紹介していきます。
初めて受験する人や法律初学者におすすめのテキスト
行政書士試験に初めて挑戦する人や法律を初めて学ぶという人におすすめのテキストを紹介します。
まずは試験を初めて受ける人や法律初学者がテキストを選ぶときのポイントから見ていきましょう。
初学者がテキストを選ぶポイント
見やすいテキスト
行政書士試験に初めて挑戦する人や初めて法律を学ぶという人にとって一番の天敵は何でしょうか?
それは挫折です。
法律は独特な表現を使う部分もあり、あまり馴染みのないものです。
勉強していても、難しいと感じる場面も多いでしょう。
そうなってくると勉強していても楽しくなくなって次第に勉強から遠ざかっていきます。
最悪の場合、受験を諦めて挫折してしまいます。
従って、いかに挫折しないで勉強を続けるかということが課題になってきます。
その課題の解決を左右するものがテキストです。
勉強を続けるには「難しい法律用語を難しく感じさせない」「わかりやすい」「楽しく学べる」、こういったテキストを選ぶと良く、特に法律初学者にはおすすめです。
まずはいかに挫折せず、勉強を続けられるかに注目してテキストを選んでください。
そのためには実際に自分の目で中身を見てから購入することをおすすめします。
大きな書店に行けば、色々なテキストがあります。
なので、どれを選べば良いか迷うと思います。
しかし、どれを選んでも大きなハズレはありません。
ページをめくって読みやすい、見やすい、面白そう、そういった感覚で選んでも構わないと思います。
繰り返せる分量のテキスト
学習において重要なのは繰り返し勉強することです。
繰り返すことで記憶に定着していくからです。
テキストも何度も読み込み、記憶に定着させていきます。
なので、テキストの分量に気をつけてください。
分量が多いと繰り返し勉強することができません。
メモ欄や余白があるテキスト
テキストも完璧ではありません。
なかには解説を読んでも理解できないこともあります。
そんな時はテキストに直接書き込んでいきましょう。
自分なりの言葉で解説を補助する内容やテキストには書かれていない語句や解説を書き込んでいきます。
そうやってオリジナルのテキストを完成させていくのが大切です。
そのためにはメモ欄や余白があったほうが良いでしょう。
余白がないと、書き込むスペースがなく、せっかく書き込んでも見づらくなってしまいます。
カラーのテキスト
人はモノクロよりカラーのほうが記憶に残りやすく、また記憶できる情報量も増加すると言われています。
従って、モノクロのものよりはカラーのものを選んだほうがいいと言えます。
モノクロでも蛍光ペンなどで線を引いて自分で見栄え良くする方法もあります。
しかし、これは意外とセンスが必要で、反対に見づらくなってしまう可能性もあります。
特に初めて法律を勉強するという人は何が重要なのかがまだわからないので、重要ではない箇所に線を引いてしまい、「何でこんなとこに線を引いたんだろう・・・」となってしまいます。
イラストや図表を多用しているテキスト
文字だけだと、どうしても飽きてきてしまいますのでイラストなどがあったほうが飽きずに学習できます。
またイラストがあるとイメージがしやすく、記憶にも定着しやすいです。
イラストがあると子供っぽくて抵抗がある人もいるかもしれませんが、前述したようにまずは挫折しないことが大切です。
また行政書士試験に出題される条文のなかには混同しやすいものも多く存在します。
そんなときは比較表などが効果的です。
こういった図表を多用しているテキストのほうが覚えにくい箇所や間違えやすい箇所を効果的に学習することができます。
おすすめテキスト
合格革命行政書士基本テキスト
大手予備校のTACから出版されている行政書士試験対策の王道とも言えるテキストです。憲法などの法令科目はもちろん、一般知識にも対応しており、行政書士試験科目をコンパクトにまとめた1冊です。
合格革命行政書士スタートダッシュ
合格革命行政書士スタートダッシュは法律の基礎が学べるテキストです。条文の読み方や学習のポイントなどが掲載されているので、初めて法律を学ぶという人はこちらのテキストから始めることをおすすめします。
みんなが欲しかった!行政書士の教科書
こちらもTACから出版されているテキストで、ベストセラー「みんな欲しかった」シリーズの行政書士試験用テキストです。合格革命よりもカラフルで、より初学者を意識した作りとなっています。合格革命よりもページ数が多いですが、科目ごとに分冊できるようになっているので、進行中の分野だけ持ち運ぶことができます。
受験2回目や法律学習経験者におすすめのテキスト
次に、前回残念ながら行政書士試験に失敗してしまい2回目の受験をする人や他の資格試験で法律学習を経験したことがあるという人におすすめのテキストを紹介します。
経験者が選ぶべきポイント
受験2回目の人は個別テキストを追加することをおすすめします。
恐らくは前回使用しているテキストは全ての科目がまとまった総合テキストだと思います。
総合テキストは初学者には向いていますが、経験者にとっては情報量が足りないと感じる場面もあると思います。
1回目で、ある程度の基礎は出来ていると思いますので、2回目ではもっと情報量を増やしても良いでしょう。
そのため、総合テキストではなく、個別テキストを用意することをおすすめします。
おすすめ個別テキスト
よくわかるシリーズ
「よくわかる」シリーズは科目毎にテキストが出版されているので通常のテキストでは掲載しきれないところまで、詳細な情報を収録しています。
とは言え、安くはない価格なので全てを購入する必要はないと思います。
苦手分野や強化したい科目のテキストを購入すると良いでしょう。
また、受験経験者だけでなく初学者にもおすすめできるテキストです。
1冊にまとまったテキストで物足りないという人は個別にこのテキストを用意しても良いと思います。
但し、あくまでも物足りないという人です。
恐らくは1冊にまとまった合格革命などのテキストだけでも、こなすのに苦労すると思われます。
下手にあれこれ手を出すよりも、初学者は1冊のテキストを繰り返し勉強したほうが効率的です。
おすすめ問題集
次におすすめの問題集を紹介します。
行政書士試験の勉強はテキストだけでなく、問題集も用意して学習しましょう。
基礎問題集から始めるのがおすすめ
問題集についてはメインは過去問題集となりますが、その前に「合格革命行政書士基本問題集」を解いておくことをおすすめします。
特に初学者はいきなり過去問題集に取り掛かっても、ほとんど解けないと思います。
それくらい過去問のレベルは高いです。
なので過去問題集に取り掛かるための足がかりとして基本問題集から解いてレベルアップするのが良いでしょう。
合格革命行政書士基本問題集
「合格革命行政書士基本問題集」は過去問の重要問題を中心に掲載されていますが、過去問だけでなくオリジナル問題も交えて収録しています。過去問だけだと各テーマにどうしても偏りが出てしまいますが、そこをオリジナル問題で補充しているので問題を解きながら自然と各テーマを満遍なく学ぶことができます。基本テキストともリンクしているので復習にも最適です。
一問一答式の問題集を用意しよう
行政書士試験は5肢択一式がメインとなります。
そのため問題集も5肢択一式のものが多いですが、一問一答式の問題集も用意しておきましょう。
5肢択一式の場合、消去法などによって正解を導き出すことが可能な問題もあるため、問題を解く効果が減少してしまう可能性があるからです。
一問一答式の場合は、1問の問題に対して正解を導き出す作業がおこなられるため、純粋に学習効果を高めることができます。
合格革命行政書士肢別過去問集
合格革命行政書士肢別過去問集は過去問を1肢ごとに分解して一問一答式にした問題集です。過去問の一問一答式問題集という感じです。
一問一答式出るとこ千問ノック
上記の「合格革命行政書士肢別過去問集」に対して、「一問一答式出るとこ千問ノック」は過去問ではなくオリジナル問題の一問一答式問題集です。過去問をやり尽くしたという人や過去問だけでは物足りないという人におすすめの問題集です。オリジナル問題ですが、基本テキストと連動しているので、解説を読んでも理解できない部分についてはテキストで確認することができます。
一問一答式と5肢択一式のどちらがおすすめ?
純粋に問題と向き合うなら一問一答式が良いので、「なら一問一答式の問題集だけでいいじゃん」と思う人もいるかと思います。
しかし、一問一答式問題集だけで学習するのはおすすめできません。
必ず5肢択一式の問題集でも学習してください。
5肢択一式の過去問題集を解く理由は、本試験で使える解法テクニックを身につけることができるからです。
5肢択一式の過去問題集では、解法テクニックを掲載しているものもあるので、そういった過去問題集を利用しましょう。
上記でも述べましたが、5肢択一式の設問は消去法などの解法テクニックで正解を導き出すこともできるので、本試験では自身の知識だけでなく、こういった解法テクニックも駆使して設問を解いていきます。
従って、5肢択一式の過去問題集も利用して、解法テクニックも学んでいた方が有利なのです。
出る順行政書士ウォーク問過去問題集
個人的には「合格革命」シリーズがおすすめですが、「出る順」シリーズも人気の問題集です。
その他おすすめ問題集
40字記述式・多肢選択式問題集
記述式や多肢選択式が苦手という人におすすめの問題集です。記述式は配点が高い問題ですが苦手とする受験生は多いと思います。この問題集は穴埋め問題など基礎問題から学び、本試験と同レベルの問題へとステップアップしてく方式になっているので、無理なく学習することができます。
法改正と直前予想模試
合格革命シリーズの総まとめとなる問題集です。法改正の情報や本試験を意識した予想模試が3回分掲載されています。特に法改正の情報は必ずチェックしておきたい項目です。
問題集を選ぶ時の注意点
問題集はそのシリーズのテキストとリンクしている場合が多いです。
つまりテキストと同じシリーズの問題集にしたほうが確認もしやすく効率が良いということです。
なので、特にこだわりのない人は、テキストと問題集はなるべく同じシリーズのものを用意したほうが良いでしょう。
一般知識のおすすめテキスト&問題集
一般知識は試験範囲が広く、学習しても得点に結びつきにくいため、あまり深入りしないことがポイントです。
基本的には合格革命などのような1冊にまとまったテキストで一般知識も学習してOKです。
特に政治・経済・社会は範囲が広く学習効果が薄いため、情報通信・個人情報保護と文章理解の2つを中心に学習していくのが一般的な戦略です。
また模試などを利用して自分の苦手な科目に絞って学習していくのも良いでしょう。
行政書士試験用に作られた一般知識のテキストは数が少ないため、一般知識の対策はセンター試験や公務員試験など他の試験用に作成されたテキストや問題集を利用しましょう。
政治・経済・社会のおすすめテキスト&問題集
センター試験 政治・経済の点数が面白いほどとれる本
こちらのテキストはセンター試験の人気テキストです。このテキストは何と言っても、そのわかりやすさに定評があります。ページ数としては400ページ以上ありますが、とても読みやすいので1日で読めてしまう人もいるでしょう。このテキストを読むと政治・経済・社会に興味が湧き、普段のニュースなども注意してみるようになるので、政治・経済・社会が苦手という人は早めにこのテキストで学習することをおすすめします。
新スーパー過去問ゼミ5社会科学
こちらは公務員試験用で人気の問題集です。正直、政治・経済・社会の科目で問題集を買ってまで勉強しないほうが良いと思います。前述のように政治・経済・社会は学習範囲が広く、学習効果が薄いからです。政治・経済・社会が苦手で、時間的に余裕があれば問題集にも手広げるのは構わないと思います。
情報通信・個人情報保護のおすすめテキスト&問題集
法律家・法務担当者のためのIT技術用語辞典
情報通信におすすめのテキストです。難しそうに見える本ですが、内容としては基本的なことが記載されています。インターネットの仕組みや情報通信技術、情報セキュリティなど行政書士試験によく出る分野が丁寧に書かれていますし、法律家・法務担当者向けに書かれた本なので行政書士試験対策におすすめの1冊です。
また情報通信の学習は総務省の国民のための情報セキュリティサイトをチェックしておくのも良いでしょう。
個人情報保護士認定試験公認テキスト
個人情報保護の学習には個人情報保護士試験のテキストがおすすめです。そのまま資格も取ってしまう人もいます。
これだけ!一問一答&要点まとめ
こちらは個人情報保護士試験用の問題集です。上記のテキストは分量が多いので、資格は取らないという人はテキストよりも問題集のほうがおすすめです。
文章理解のおすすめテキスト&問題集
公務員試験文章理解すぐ解ける直感ルールブック
文章理解用のテキストでおすすめなのがこちらです。文章理解問題の解き方のテクニックなどが記載されており、何年も前に出版されたテキストですが今も支持されている良書です。
公務員試験過去問新Quick Master
公務員試験用の文章理解の問題集です。公務員試験で人気なのは「スーパー過去問ゼミ」ですが、行政書士試験に出題されない分野も多くあり、文章理解の部分についてはこちらの方が分量が多くおすすめです。
新スーパー過去問ゼミ
時事問題用のおすすめテキスト&問題集
速攻の時事
こちらも公務員試験の時事問題対策として人気のテキストです。一般知識では時事問題も出題されていますが、時事問題に関しては普段の生活のなかで、ニュースを見たり新聞を読んでいれば、さほど勉強する必要はありません。ニュースを見る時間がない、新聞を取ってないという人はこちらのテキストで学習しましょう。
速攻の時事 実戦トレーニング編
こちらは上記のテキストにリンクした時事問題集&用語集です。
中古のテキストについて
テキストなどを揃える際に、新品ではなく中古のものを用意しようと考えている方もいるかと思います。
中古のテキストや参考書を使って学習することについては賛否両論あります。
中古のテキストを使うメリットは、何と言っても費用を抑えられることです。
今はネットオークションなどで中古のテキストを購入することができます。
なかには最新版のテキストや問題集なども出品されているので、うまくタイミングが合えば格安で試験年度対応のテキストを手に入れることができます。
問題は中古テキストは古いものだと、法改正や試験委員など、その年の試験内容に対応していない可能性があることです。
また前の持ち主が使っていた場合、色々と書きこんでいたり、最悪は汚れている場合もあります。
その年の試験に対応しているもので、未使用であれば、購入を検討しても良いかと思います。
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