欠格事由

【欠格事由】行政書士になれない場合とは



 

実は行政書士は誰でもなれるというものではありません。
行政書士法には行政書士になることができない欠格事由というものが存在します。
欠格事由に該当すると行政書士試験に合格しても行政書士登録することはできないのです。
そこで今回は行政書士の欠格事由について解説していきます。

 

 

 

 

 

 

行政書士の欠格事由

 

行政書士法
(欠格事由)
第二条の二 次の各号のいずれかに該当する者は、前条の規定にかかわらず、行政書士となる資格を有しない。
一 未成年者
二 成年被後見人又は被保佐人
三 破産者で復権を得ないもの
四 禁錮以上の刑に処せられた者で、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつてから三年を経過しないもの
五 公務員(行政執行法人又は特定地方独立行政法人の役員又は職員を含む。)で懲戒免職の処分を受け、当該処分の日から三年を経過しない者
六 第六条の五第一頂の規定により登録の取消しの処分を受け、当該処分の日から三年を経過しない者
七 第十四条の規定により業務の禁止の処分を受け、当該処分の日から三年を経過しない者
八 懲戒処分により、弁護士会から除名され、公認会計士の登録の抹消の処分を受け、弁理士、税理士、司法書士若しくは土地家屋調査士の業務を禁止され、又は社会保険労務士の失格処分を受けた者で、これらの処分を受けた日から三年を経過しない者

 

出典:e-Govウェブサイト(http://www.e-gov.go.jp)

 

 

 

 

未成年者

 

 

未成年者の場合、行政書士試験を受験することはできます。
しかし、欠格事由に該当するため行政書士登録はできません。
もちろん二十歳になれば行政書士登録することができます。

 

 

 

 

成年被後見人又は被保佐人

 

成年被後見人又は被保佐人とは
 認知症,知的障害,精神障害などの理由で判断能力の不十分な方々は,不動産や預貯金などの財産を管理したり,身のまわりの世話のために介護などのサービスや施設への入所に関する契約を結んだり,遺産分割の協議をしたりする必要があっても,自分でこれらのことをするのが難しい場合があります。また,自分に不利益な契約であってもよく判断ができずに契約を結んでしまい,悪徳商法の被害にあうおそれもあります。このような判断能力の不十分な方々を保護し,支援するのが成年後見制度です。

 

成年後見制度は,大きく分けると,法定後見制度と任意後見制度の2つがあります。
 また,法定後見制度は,「後見」「保佐」「補助」の3つに分かれており,判断能力の程度など本人の事情に応じて制度を選べるようになっています。
 法定後見制度においては,家庭裁判所によって選ばれた成年後見人等(成年後見人・保佐人・補助人)が,本人の利益を考えながら,本人を代理して契約などの法律行為をしたり,本人が自分で法律行為をするときに同意を与えたり,本人が同意を得ないでした不利益な法律行為を後から取り消したりすることによって,本人を保護・支援します。
 出典:法務省ウェブサイト (http://www.moj.go.jp/MINJI/minji17.html#a2)

 

成年被後見人
判断能力が常時欠けている方

 

被保佐人
判断能力が著しく不十分な方

 

被補助人
判断能力が不十分な方

 

判断能力の程度は上記のように区別されています。
このうち成年被後見人と被保佐人は行政書士の欠格事由に該当します。
被補助人の場合は行政書士となることができます。
なお、成年被後見人や被保佐人の方は行政書士登録はできませんが行政書士試験を受験することはできます。

 

 

 

破産者

 

 

破産者で復権を得ないものは行政書士になることができません。

 

 

破産者で復権を得ないものとは

 

破産手続開始決定がなされると破産者は権利や資格などについて制限を受けます。
行政書士となる資格もそうですし、弁護士といった士業、警備員、遺言執行者など様々な資格に対して制限が発生します。
免責が決定すると資格制限は解除され、資格制限が解除されることを復権を得ると言います。

 

 

自己破産した者も含まれるか?

 

破産者とは、破産法によると「債務者であって、第三十条第一項の規定により破産手続開始の決定がされているものをいう」としています。
自己破産とは債務者の申立てによって破産手続開始決定がなされることです。
よって破産者には自己破産した者も含まれます。

 

 

 

 

禁錮以上の刑に処せられた者

 

 

禁錮以上の刑に処せられた者で、その執行が終わってから3年、又は執行を受けることがなくなってから3年を経過していない者は行政書士の欠格事由に該当します。

 

禁錮とは刑法によると刑事施設に拘置することを言います。
懲役との違いは労働などの作業の有無です。
懲役は労働作業があり、禁錮はありません。
禁錮以上とは刑法によると、死刑、懲役、禁錮となります。

 

 

執行を受けることがなくなってから

 

執行を受けることがなくなってからとは、例えば、仮釈放された場合、仮釈放された日から3年ということではありません。
仮釈放されたとしても刑期は残っているので、その期間が経過した後から3年ということです。

 

 

執行猶予について

 

実刑ではなく執行猶予付きの禁錮以上の刑罰の場合でも、行政書士の欠格事由に該当すると思われます。
しかし、刑法によると執行猶予の期間が経過した場合は、刑の言渡しは効力を失うとしていますので、執行猶予期間が経過すれば欠格事由には該当せず、すぐに登録も可能となります。

 

(刑の全部の執行猶予の猶予期間経過の効果)
第二十七条  刑の全部の執行猶予の言渡しを取り消されることなくその猶予の期間を経過したときは、刑の言渡しは、効力を失う。



公務員で懲戒免職の処分を受けた者

 

公務員であって懲戒免職の処分を受けしまい、処分の日から3年を経過していない者は行政書士の欠格事由に該当します。
ここでいう公務員は行政執行法人や特定地方独立行政法人の役員、職員が含まれます。
懲戒免職とは最も重い懲戒処分で公務員の職を免職(解雇)し、公務員の身分をはく奪するものです。

 

 

 

 

行政書士登録の取消しの処分を受けた者

 

行政書士登録取消しの処分を受け、処分の日から3年を経過していない者は行政書士の欠格事由に該当します。

 

行政書士法
(登録の取消し)
第六条の五 日本行政書士会連合会は、行政書士の登録を受けた者が、偽りその他不正の手段により当該登録を受けたことが判明したときは、当該登録を取り消さなければならない。

 

 

 

 

業務禁止の処分を受けた者

 

行政書士業務の禁止の処分を受け、処分の日から3年を経過していない者は行政書士の欠格事由に該当します。

 

(行政書士に対する懲戒)
第十四条 行政書士が、この法律若しくはこれに基づく命令、規則その他都道府県知事の処分に違反したとき又は行政書士たるにふさわしくない重大な非行があつたときは、都道府県知事は、当該行政書士に対し、次に掲げる処分をすることができる。
一 戒告
二 二年以内の業務の停止
三 業務の禁止

 

 

 

 

他士業で処分を受けた者

 

他士業で処分を受けた者も行政書士の欠格事由に該当します。

 

懲戒処分により弁護士会から除名された者。
公認会計士の登録抹消処分を受けた者。
弁理士、税理士、司法書士、土地家屋調査士の業務を禁止され処分の日から3年が経過していない者。
社会保険労務士の失格処分を受け、処分の日から3年が経過していない者。

 

 

 

 

欠格事由に該当しても登録できる

 

欠格事由に該当するからといって行政書士になれないわけではありません。
未成年者は成年となることで登録できますし、破産者も復権することで登録が可能です。
禁錮以上の刑に処された者や処分を受けた者でも一定期間の経過で登録が可能になります。
また行政書士資格は期限などはなく一生有効です。

 

 

 

 

登録拒否

 

欠格事由ではなく、登録拒否される場合もあります。
行政書士になるには行政書士会に登録が必要です。
登録拒否とは、その申請段階で登録が拒否されるケースのことです。

 

行政書士法
(登録の申請及び決定)
第六条の二 前条第一項の規定による登録を受けようとする者は、行政書士となる資格を有することを証する書類を添えて、日本行政書士会連合会に対し、その事務所の所在地の属する都道府県の区域に設立されている行政書士会を経由して、登録の申請をしなければならない。
2 日本行政書士会連合会は、前項の規定による登録の申請を受けた場合において、当該申請者が行政書士となる資格を有し、かつ、次の各号に該当しない者であると認めたときは行政書士名簿に登録し、当該申請者が行政書士となる資格を有せず、又は次の各号の一に該当する者であると認めたときは登録を拒否しなければならない。この場合において、登録を拒否しようとするときは、第十八条の四に規定する資格審査会の議決に基づいてしなければならない。
一 心身の故障により行政書士の業務を行うことができない者
二 行政書士の信用又は品位を害するおそれがある者その他行政書士の職責に照らし行政書士としての適格性を欠く者
出典:e-Govウェブサイト(http://www.e-gov.go.jp)

 

心身の故障とは、文字通り心又は身体の故障(病気や怪我など)により行政書士業務を行うことができない場合です。
この点については余程のことがない限り、心配する必要はないと思います。
懸念事項がある場合は所属する予定の行政書士会に問い合わせてみましょう。

 

 

 

 

登録の際に提出する履歴書で拒否される?

 

行政書士登録を行う際は、履歴書を提出します。
その履歴書には職歴なども記載します。
職歴によって登録拒否されるのではないか、と心配される方もいるかと思います。
しかし、この点についても登録拒否は滅多にないと思われるため、心配する必要はないでしょう。



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