行政書士試験に合格するには暗記は避けて通れません。
多くの知識をインプットすることは勉強の基本です。
そして、そのインプットした知識をいかに素早くアウトプットできるかが重要となります。

 

今回は行政書士試験におすすめの暗記の方法を解説します。

 

 

 

 

 

 

なぜ暗記は必要なのか?

 

 

行政書士試験は新制度に移行してから、知識型の試験から応用力が問われる思考型に変わったと言われています。
これは知識が必要ではなくなったということではありません。
ただ単に暗記して知識を詰め込んだだけでは対応できなくなったということを意味します。

 

思考する為には、知識があることが前提条件です。
従って少なからず暗記は必要となります。

 

行政書士試験では1問を平均2分ほどで解かなければなりません。
早く解くには多くの知識を蓄えておく必要があり、試験においてその知識を素早くアウトプットできるようにならなければなりません。

 

しかし、知識を多く蓄えておくには暗記が必要となりますが、それにも限界があります。
従って、まずは基本的なことを暗記していくことをおすすめします。

 

よくある失敗としてテキストでのインプットはそこそこに過去問や問題集などの演習を始めてしまうことです。
その状態で演習を始めてもほとんど解けませんので自信を失ってしまい、やる気もなくなってしまう危険性があります。
過去問や問題集などの演習でも基礎的なことを覚えることはできますが、暗記するのに時間がかかります。

 

暗記で大事なのは、ただ暗記するのではなくきちんと理解しながら暗記していくことです。
その為、まずはテキストを中心に基礎的なことを暗記していきましょう。

 

 

 

 

何を暗記すればいいのか

 

基礎(テキスト)
テキストに書かれているところは基礎的な部分ですが、行政書士試験において重要なポイントを掲載しています。
基礎知識がなければ応用も何もありません。
しかし、テキストの一字一句すべてを丸暗記するなんてことは不可能です。
自分なりの言葉でいいので、テキストの内容をアウトプットできるようにしておきましょう。

 

 

条文
条文は法律学習の基礎です。
従って、条文を知らなければ問題は解けません。

 

また条文そのものの正誤が出題されることもあります。
しかし条文の全てを暗記することは不可能なので、ますは重要な条文を中心に暗記していきましょう。

 

 

数字
条文には年数や定数、期間などが多く記載されています。
試験においても、よく問われる箇所なので混乱しないように正確に覚える必要があります。

 

 

判例
行政書士試験は判例からもよく出題されます。
しかし判例を全て覚えるのは不可能なので、事件名や判決、趣旨などをまずは覚えましょう。

 

 

間違えやすい箇所
勉強を進めていると、どうしても間違えてしまうところがあります。
そういった箇所も重点的に暗記していきましょう。




暗記の方法

 

理解(インプット)する

理解したことは忘れにくいものです。
そして一度、理解したことは思い出しやすいです。
従って、まずは暗記よりも理解することに努めましょう。

 

ここでの注意点は理解することに固執しないことです。
法律の勉強は全体を把握しないと理解しにくいこともあります。
全体を通してみて、そういうことだったんだ!と理解できることがあるのです。
なので、理解できない箇所があったら、そこは飛ばして、まずは全体を通して勉強してみましょう。

 

 

アウトプットする

暗記において大事なのは実はインプットではなくアウトプットです。
実際、「入力(インプット)を繰り返すよりも、出力(アウトプット)を繰り返すほうが、脳への情報の定着がよい」という研究結果が出ています。

 

例えば、小学生の頃に習った九九。
その地域ごとに覚え方の違いはあるかもしれませんが、大体はまず掛け算のやり方や解き方を学び、その後、九九を1の段から9の段まで覚えます。
これがインプットです。
そして九九を覚えたかどうかをテストで確認します。
或いは、先生の前で九九を喋り、ちゃんと言えるまで帰れない、といったことはなかったでしょうか。
頭に入れた九九の段をテストで答えたり、九九が言えるように言葉で発している、この状態がアウトプットです。
九九が全て言えるようになってアウトプットできるようになったと言えます。
暗記というとどうしてもインプットに集中しがちですがアウトプットできるようになって初めて暗記が成功したことになるのです。

 

アウトプットはインプットにもなります。
アウトプットすることで理解が深まり記憶に定着するからです。
またアウトプットすることで自分に足りないところが見えてきます。
そこを重点的にインプットします。
そしてまたアウトプットするのです。
基本的にはインプットとアウトプットの繰り返しです。

 

 

思い出してみる

その日に勉強したことや前日勉強したことを、お風呂やトイレなどで少し思い出してみてください。
ここで重要なのは何も見ていない状態で思い返すことです。
この作業により、思い出す力が鍛えられます。
脳にある知識を引き出す力です。
脳はこの引き出す作業をしてあげないと、重要な情報と認識せず記憶に定着させません。

 

 

人に説明する

テキストを読んで理解し、それを説明できるように訓練します。
説明する相手がいなければ、喋るだけでも構いません。
人に説明すると断片的だった知識が整理され、正しい知識として脳に定着します。

 

また、人に説明すると理解できていないことや暗記が不十分であることが意外と見えてきます。
人に説明するというのは最高のアウトプットなのです。

 

少し慣れてきたら、今度は書きながら説明してみましょう。
その際は図なども書くと、より効果的です。
色々な筋肉を使うと記憶に定着しやすいと言われています。
書く、といってもきちんと書く必要はありません。
メモ書きのような感じで大丈夫です。

 

しかし誤字には気を付けましょう。
誤字は記述式で減点となる可能性があります。
誤字に気をつけることで記述式の勉強にもなります。

 

 

比較する

混乱しそうなことは比較して暗記しましょう。
比較することで知識が整理され、混乱を防ぐことができます。

 

例えば、衆議院と参議院の比較。
議員定数や任期、被選挙権などは混乱しやすいものです。
そういったものを比較することで簡単に覚えることができます。

 

 

繰り返す

人は忘れる生き物です。
どんなに覚えても時間が経てば忘れていきます。

 

しかし、忘れにくくすることはできます。
それは繰り返して覚えることです。

 

エビングハウスの忘却曲線というものがあります。
これは一度、覚えたことをどのくらいの時間で忘れてしますのかということを表したものです。
そのグラフによると人は20分後に42%、1時間後に56%、1日後に74%、1週間後77%、1ケ月後79%が忘れてしまいます。

 

20分後には42%忘れる
1時間後には56%忘れる
1日後には74%忘れる
1週間後には77%忘れる
1か月後には79%忘れる

 

従って、記憶に定着させるには繰り返し復習することが必要なのです。

 

忘れることにも種類があって完全に忘れてしまう忘却と、すぐに思い出せる忘却があります。
1か月後だと完全忘却の状態に近く、復習するときも一から勉強し直さなければなりません。
これは時間もかかりますし、効率も悪いです。

 

なので、期間を空けずに思い出せる状態の頃に復習することが大切です。
繰り返すことことで記憶が定着し、記憶の通り道が出来ます。
記憶の通り道を作ることで、すばやくアウトプットできるようになるのです。

 

 

 

 

暗記の注意点

 

丸暗記はNG

いくら暗記が大事だからといって、丸暗記はNGです。
すべてを覚えようとしても限界があります。
また丸暗記は効率も悪いです。

 

 

理解できないことはただ暗記するしかない

理解よりも暗記が優先されるものもあります。

 

物事は、理解することで記憶に深く定着します。
行政書士試験の勉強も理解することはとても重要です。
しかし中には理解できないこともあります。

 

例えば、条文に出てくる数字。
条文には定数や期間などの数字がよく出てきます。
これらの数字に関して、なぜこの年数なんだろう、と考えてもあまり意味はありません。
そういったものはそのまま暗記するしかないのです。

 

 

睡眠を削らない

記憶に定着させるには睡眠が重要となります。
脳は寝ている間に勉強したことを整理し、知識として記憶に定着させようとするからです。

 

また寝不足の状態では日中の勉強にも影響がでます。
この、寝ている間に記憶定着させる習性を利用して、夜に暗記し、翌朝に復習するという方法もあります。

 

 

同じ科目を繰り返さない

脳は刺激があると強く印象に残ります。
同じ科目を繰り返していると、次第に飽きてきてしまいます。
そうなると脳への刺激も弱くなり、暗記の効率も低下します。

 

そこで同じ科目を繰り返さないようにローテーションを組んで順番に覚える
など、工夫してみてください。
また同じ科目でも条文、判例、テキストというように種類を変えてみましょう。




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