行政書士試験は役に立つ資格なのか

 

資格試験の中には合格しなかったとしても実生活で役立つものもあります。
では行政書士試験は落ちたとしても、得た知識はその後の生活で役に立つのでしょうか。

 

また就職やキャリアアップに繋がる資格もあります。
行政書士は就職やキャリアアップに役に立つ資格なのか。

 

 

試験に落ちても今後の人生で役に立つ？

よくドラマや映画などで、法律に詳しい人が何か問題が起こった時に、その知識を駆使して解決するような場面もありますよね。

 

結論から言うと、実生活に役に立つかどうかは未知数な部分が多いです。

 

法律を学ぶ機会というのは実生活ではなかなかないことです。
法律を学ぶ機会は行政書士試験のような法律資格を取得する場合や法学部、公務員、専門職などでしょう。
あとは自分自身や家族、友人などが困ったときなどに法律を調べる機会があるかもしれません。

 

しかし、何かに困った時に法律を調べてなんとかしようとする人もいれば、弁護士などの専門家に頼む人もいるでしょう。
自分で調べる場合もですが、専門家に依頼する場合もある程度の知識があるのとないのでは、理解力も異なってきます。
そう考えると法律を学んでおくことにメリットはありそうです。
ただ、法律を調べるような機会や弁護士などの専門家に依頼するというのはなかなかないと思います。
なので、行政書士試験で学んだことを生かす機会が訪れるかどうかは正直微妙なところです。

 

行政書士試験の法令科目は憲法、行政法、民法、商法があります。

 

この中で実生活で役に立ちそうなのは民法と商法でしょうか。
しかし商法は行政書士試験の出題数が少なく、捨て科目とも言われているので、最初から学習していない人もいるかもしれません。
とすると民法だけになります。
民法は一番身近な法律と言え、生活に密着した法律でもあるため、学んでおくことで役立つことはありそうです。

 

その他に一般知識科目もあります。
一般知識は政治・経済・社会、情報通信・個人情報保護、文章理解です。
政治・経済・社会は実生活でも役立ちそうですが、情報通信や個人情報保護は専門的な知識でもあり、あまり身近なものとは言えません。
文章理解は国語や現代国語のような科目なので、こちらもあまり役に立ちそうな感じはありません。

 

このように行政書士試験で身につけた知識は役立ちそうなものもあれば、そうでもないものもあります。
また役立てる機会の有無もあります。

就職やキャリアアップに役に立つ？

次に行政書士試験に合格したとして、就職やキャリアアップとして役に立つのかどうか。

 

こちらも結論から言うと、正直なところ役に立つとは考えない方が良いと思います。

 

もともと行政書士試験は独立型資格と言われています。
つまり行政書士になるための資格試験であり、就職やキャリアアップを目的としたものではないのです。

 

就職においては、行政書士事務所や司法書士事務所などの就職であれば、有利に働く可能性はあります。
また、その他の会社などでも、その頑張りを評価してくれる可能性はあります。
ただ、昔の人の中には行政書士試験は簡単な試験というイメージを持っている人もいます。
そういった人が人事担当だと評価はされないかもしれません。
むしろ、行政書士試験に合格したことで、どんな変化があったのか、自分のこのスキルや知識をどう生かせるのかを自分自身でアピールする必要があります。

 

 

キャリアアップはどうでしょうか。
どんな職種か部署なのかによっても異なりますが、残念ながらキャリアアップについてもあまり効果はないと考えられます。
そもそも行政書士という職業について詳しく知っている人は少ないです。
行政書士と言っても何か難しい法律資格というくらいのイメージです。
なので行政書士の資格を持っている人がどんな強みがあって、どんな利益を会社にもたらしてくれるのかがわからないといった点があります。

 

 

まとめ

このような理由から、行政書士試験に落ちたとしても今後の人生で役に立つ場面というのは少ないと思います。
また就職やキャリアアップに役に立つ可能性も少ないです。
従って、そのようなことを期待して受験するのであればおすすめしません。

 

しかし、行政書士試験に合格すれば、特に有効期限などはないので、登録さえすればいつでも開業することができます。
もし今すぐの開業を考えていないのであれば、とりあえず今のうちに取得しておいて、定年退職したのちに開業するとか、会社が倒産したり解雇されたときのリスクマネジメントとして取得しておくのは良いと思います。

 

以上、行政書士試験は役に立つ資格なのかでした。