今回は六法について解説していきます。
行政書士試験の対策に必要なのか、それともいらないのか。
持ち込みはできるのか。おすすめの六法は?使い方は?

 

六法についてきちんと理解して対策を立てていきましょう。

 

 

 

そもそも六法とは??

 

六法とは憲法、民法、商法、刑法、民事訴訟法、刑事訴訟法の6つの法律のことを指します。
また、これらを中心に掲載した法律の辞典のようなものを「六法全書」と言います。
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ここでは六法全書の略として六法と使わせて頂きます。

 

 

 

行政書士試験に六法の持ち込みはできる?

 

とある有名企業の創設者は学生時代、辞典の持ち込みを許可させた、なんて逸話もありますが、残念ながら行政書士試験では六法の持ち込みはできません。
行政書士試験では机の上に置けるものが決まっており、それ以外は置くことはできない決まりになっています。

 

試験当日に必ず持参するもの
@受験票(記載された試験場以外の試験場では受験できません。)
ABかHBの黒鉛筆又はシャープペンシル(左記以外で解答すると判読が困難になります。)
Bプラスチック消しゴム
C上履きと下履きを入れる袋(土足厳禁の試験場のみ)<試験地・試験場一覧>

 

 

その他持参することができるもの
@腕時計1個(試験室内に時計の用意はありません。)
※ 計算機能・通信機能等が付いている腕時計は不可
※ 腕時計以外の置時計等は不可
※ 事前にアラーム機能は解除しておいてください。
A鉛筆削り(ゴミが中で蓄えられる小さいもので、電動鉛筆削りは不可)
B問題用紙に用いる蛍光ペン(複数使用可)

 

行政書士試験研究センターHPより

 

 

 

なぜ六法の必要性が議論されるのか

 

行政書士試験は法令科目があり、条文から多くの問題が出題されます。
となると当然、六法は必要だろうと考える人も多いかと思います。
しかし現在はインターネットでも条文を検索できる時代となりました。
以前であれば必ず六法は必要でしたが、現在は必ずしも必要とは言えないのです。

 

じゃあ、六法はいらないのね、と言われるとそうとも言い切れない部分があります。
事実、今でも六法を使って学習している人はいますし、六法を使って学習することを推奨している講師も多くいます。
こういった理由から六法必要論と不要論が対立している現状があるのです。

 

 

六法はいらないという意見

 

まず初めに六法はいらないという意見から見ていきましょう。
インターネットが普及していない時期、六法は必要不可欠な教材でしたが、今ではパソコンやインターネットが普及し、ネットからでも条文が見れる時代となりました。
それでもスマホが普及していない頃は、まだ六法の需要は高かったと思います。
ところがスマホが普及して行政書士試験の学習スタイルも大きく変わり、今はスマホで気軽に、しかも簡単に条文を見ることができるようになりました。
このおかげでパソコンがなくても簡単に条文を検索できるようになり、重たい六法を持ち歩く必要もなくなったのです。
このようにスマホで簡単に見れるのに、わざわざ六法を購入する必要はないだろうというのが六法不要論の立場です。
また購入したけど使わなかった、という人も多いようです。

 

 

 

六法が必要だという意見

 

では次に六法が必要という意見を見ていきましょう。
六法必要論の立場としてはネットやスマホで検索するよりも六法で調べたほうが早いからという意見が多いです。
確かに、六法で調べるよりもネットやスマホで検索する方が若干時間がかかります。
しかし、大きな差はなく、それをストレスと感じるかどうかのような気もします。
反対に六法や辞典の扱いに慣れていない人やスマホの扱いに慣れている人にとっては六法を使った方が時間がかかるかもしれません。

 

 

 

結局のところ必要なの?いらないの?

 

行政書士試験の勉強をする際に六法は必要かという点については、このように様々な意見があります。
これは個人差があるので、ご自身が勉強しやすい方を選択することになるでしょう。
スマホをよく使うという人は簡単に検索できるので必要はないかもしれません。
紙媒体の方が勉強しやすいという人は購入を検討しても良いでしょう。

 

私はどうしたかと言うと、条文を調べるときはネットを使い、六法は使わずに勉強しました。
それでも合格したので、いらないと言えばそうかもしれません。

 

しかし合格後に知り合いの行政書士から受験時代に使っていた六法を見せてもらい、購入して勉強していても良かったかな、と思いました。
その先生が使用していた六法は行政書士試験用の六法だったのですが、条文以外にも関連した過去問や判例が掲載されていて、多角的な勉強ができそうだったからです。

 

確かに条文を調べるだけのツールなら六法はいらないかもしれません。
テキストや過去問の解説などを読んでいて、「参考 民法〇〇条」としか書いていない場合もありますので、そんな時にどんな条文だったっけ?と調べるだけならネットでも十分です。
しかし、条文だけでなく関連した過去問や判例が掲載されている六法で条文を調べると自然と関連づけられた学習をすることができます。
こうした積み重ねが後々、大きな差となってきます。

 

また、行政書士試験の受験生はテキストや過去問、模試などに目が行き過ぎているところがあります。
もちろん、それらも重要なのですが、単純に条文を読むということも大事なのです。
テキストや過去問では全てのことは掲載できないので、頻出分野や重要な箇所に絞って収録しています。
そのため、六法を持っていないという人はテキストや過去問に掲載されていない条文を読んだことがない、という人が多いと思います。
それは重要ではないから掲載されていないのですが、その条文が絶対に出題されないというわけではないのです。
時にはかなりマニアックな条文が出題されることもあります。
そういう問題は解ける受験生も少ないので捨て問とされる場合もありますが、条文を読んでいれば、そういった問題にも簡単に対応することができます。

 

また法律学習は個別に学習するよりも全体を学習してからの方が個別に理解しやすいと言われています。
例えば、民法で理解できない箇所があっても、全体の条文を読んでみたら理解できた、ということもあるのです。

 

従って、一度くらいは全ての条文に目を通しておくことをおすすめします。

 

では、ネットに掲載されてある条文を読んでいけばいい、と思う人もいるかもしれませんが、あのずらずらと書かれた条文を苦も無く読めるという人はほとんどいないと思います。
そこでおすすめなのが、過去問や判例が掲載されている行政書士試験対策用の六法です。
これなら読み物として条文をみていくことができます。

 

まとめると・・・。

 

六法は必需品ではありません。
六法がなくてもテキストや問題集でしっかりと学習すれば合格することはできます。
しかし六法を使うメリットもあります。
なので購入するかどうか迷っている人は、試しに使ってみるのも良いと思います。
試しにというと無責任に聞こえるかもしれませんが、行政書士試験の勉強には確実な方法というのは存在しません。
それは予備校や通信講座に掲載されている合格体験記を読んでみるとわかります。
勉強の方法は人それぞれ違います。
勉強のしやすさや効果などが人それぞれ違うからです。
なので自分にあった学習方法を見つけるには冒険も必要なのです。
時には失敗もしますが、冒険をしてみなければ自分にあった学習法も見つけることはできません。




六法の使い方

 

六法を購入するなら、徹底的に使った方がいいです。
安い買い物ではないので使いまくって利用しまくりましょう(言い方は悪いですが)。

 

購入したら、まずはざっくりと良いので全体を通して読んでみてください。
行政書士試験対策用の六法は関連する過去問や判例が掲載されているので、読み物としても目を通しやすい内容となっています。
すべてをじっくりと読む必要はないので、1〜2時間ほどで全体に目を通してみましょう。
全体を見てみるという作業が大事です。
また、その中でテキストに掲載されていて知っている条文、知らない条文、色々とあると思います。
ざっくりと読んだだけでも十分、印象に残った条文や気になった条文が出てくるはずです。

 

次に勉強の際は常に用意しておき、テキストや過去問で条文が出てきたら、その都度、調べましょう。
条文を六法で引くという作業は少し面倒ですが、次第に、この条文はあの部分にあったはずだ、という感じに記憶が定着していきます。

 

また気になることは、どんどん六法に書きこんでしまいましょう。
なんとなく六法というのは調べるもので、何かを書き込んだりするものではないと思っている人もいるでしょう。
しかし他人が書いた解説よりも自分で書いた解説の方が読みやすく、記憶しやすいものです。
なので、色々と書きこんじゃって大丈夫です。

 

 

 

行政書士試験対策におすすめの六法

 

六法を使って勉強してみようかな、という人のために行政書士試験対策におすすめの六法を紹介します。
実は六法といっても何種類か存在します。

 

六法全書
ポケット六法
判例六法
行政書士試験対策用の六法

 

この中でおすすめなのは判例が掲載されている六法です。
特におすすめなのは行政書士試験対策用の六法です。
これらは行政書士試験に特化した六法で、条文だけでなく関連した過去問や判例が掲載されています。
本試験では判例からも出題されるので、条文だけでなく判例を学習することも大切です。
条文を学びながら過去問や判例も学べるのが行政書士試験対策用六法のおすすめポイントです。

 

デメリットとしては条文以外の情報が多く掲載されているので一般的な六法よりは条文を探すのに時間がかかります。

 

 

行政書士試験六法

 

 

【掲載内容】
第1編 憲法
第2編 行政法
第3編 民法
第4編 商法(会社法も掲載)
第5編 情報関連法
1,158ページ

 

【行政書士試験六法の特徴やポイント】
行政書士試験六法の最大の特徴は見やすさです。
2色刷りにしてあることと、配置や行間に余裕があるので、とても見やすいです。
辞典っぽいのは苦手という人におすすめです。

 

【過去問の掲載方法】
条文にリンクした過去問が掲載されており正誤は◯×で、誤った箇所にアンダーラインが引いてあります。

 

 

行政書士受験六法

 

 

【掲載内容】
第1編 行政書士の業務に必要な法令等
 第1章 憲法
 第2章 行政法
 第3章 民法
 第4章 会社法(商法も掲載)
 第5章 基礎法学
第2編 行政書士の業務に関連する一般知識(情報通信・個人情報保護)等
 第1章 情報通信に関連する法令
 第2章 個人情報保護に関連する法令
1,224ページ

 

【行政書士受験六法の特徴】
行政書士受験六法の特徴は情報量です。
行政書士試験六法にはない基礎法学についての条文も掲載されています。
また、分かりづらい条文には解説がついており、重要な語句は太文字で強調してあります。

 

【過去問の掲載方法】
行政書士受験六法では出題例として過去問が記載されていますが、正誤は◯×ではなく、正解は原文のまま、不正解は誤った箇所にアンダーラインが引かれ×印が記載されています。

 

 

 

どちらの六法がおすすめ?

 

情報量より見やすさ →「行政書士試験六法」
見やすさより情報量 →「行政書士受験六法」

 

甲乙つけがたい両者ですが、見やすさで選ぶなら「行政書士試験六法」がおすすめです。
余白もあるので補充的に解説を書き込むこともできます。

 

 

 

反対に見やすさよりも情報量を重視するなら「行政書士受験六法」がおすすめです。
基礎法学が掲載されていることや条文の解説なども記載されています。

 




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