行政書士試験の重要な設問に記述式問題があります。
記述式は配点が高く、必ず得点しておきたい問題です。
ここでは行政書士試験の記述式の配点や採点方法について解説していきます。
記述式が採点されるには?
行政書士試験では足切りが存在します。
足切りになってしまうと記述式が採点されず、その時点で不合格が確定してしまいます。
従って、記述式が採点されるためにはまず足切りを回避する必要があります。
足切りになってしまうのは一般知識が40%未満だった場合と記述式を除いた得点が120点未満だった場合の2つです。
この場合、足切りとなり記述式が採点されないので、記述式が採点されるためにはこの2つを回避しなければなりません。
【関連ページ】⇒足切りとは
記述式の配点とは
行政書士試験では配点について事前には公表していません。
合格発表のときに行政書士試験研究センターのホームページで公表されます。
しかし例年、同じ配点なので、あまり気にすることはないでしょう。
通常であれば記述式の配点は1問20点、3問出題されるので合計60点となります。
記述式だけで全体の20%の点数となりますので、重要な設問であることがわかると思います。
例年通りであれば行政法から1問、民法から2問出題されます。
部分点がある
記述式1問の配点は20点ですが、記述式には部分点が存在します。
部分点とは記述全体の正誤だけでなく、文章の一部分の正誤について点数つけられることです。
採点基準を設けて、その基準を満たした箇所に部分点がつけられると思われます。
従って、点数は0点か20点かではなく、実際の採点では4点だったり16点だったりするわけです。
これは試験研究センターで公表された情報ではありませんが、記述式の得点からこのように推察できます。
記述式の採点基準
それでは採点基準の例をひとつ紹介します。
平成29年度試験 問題44
A市は、市内へのパチンコ店の出店を規制するため、同市内のほぼ全域を出店禁止区域とする条例を制定した。しかし、事業者Yは、この条例は国の法令に抵触するなどと主張して、禁止区域内でのパチンコ店の建設に着手した。これに対して、 A市は、同条例に基づき市長名で建設の中止命令を発したが、これをYが無視して建設を続行しているため、A市は、Yを被告として建設の中止を求める訴訟を提起した。最高裁判所の判例によれば、こうした訴訟は、どのような立場でA市が提起したものであるとされ、また、どのような理由で、どのような判決がなされるべきこととなるか。40 字程度で記述しなさい。
【正解例】
行政権の主体としてA市が提起したもので法律上の争訟ではないから却下判決がなされるべき。
〜行政書士試験研究センターHPより〜
この正解例を採点基準となりそうなポイントで分解してみます。
@行政権の主体としてA市が提起したものでA法律上の争訟ではないからB却下判決がなされるべき
この3つのキーワードが文章に組み込まれているかが採点されます。
また、文章が40字程度であるかも採点されるポイントと考えられます。
例えば
【行政権の主体として】6点
【法律上の争訟ではない】6点
【却下判決】6点
【40字程度であること】2点
といった感じです。
このように組み込まれるべきキーワードが存在すると考えられています。
どのキーワードが何点なのかという配点や採点基準については公表されていないので、結果から判断するしかありません。
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