行政書士試験の独学ではテキスト(参考書)を自分で選ぶ必要があります。
しかし、どんなテキストを選べばよいか迷う人は多いと思います。
特に独学初心者はテキストの選択に迷うでしょう。
そこで今回は独学初心者におすすめのテキストを紹介していきます。
テキスト(参考書)の選び方
独学の人にとってテキスト(参考書)選びは最も重要と言えます。
特に行政書士受験の初心者や法律初学者はテキスト選びに失敗すると最悪の場合、途中で挫折してしまいます。
それは法律の学習は初心者にとっては難解で理解しづらいからです。
では独学初心者が選ぶべきテキストについて解説していきます。
表現がわかりやすいもの
どのテキストも内容はちゃんとしたものが多いですが、解説の文章表現が自分に合うかどうかという相性の問題があります。
文章表現は作成者の癖みたいなものが存在します。
合わないテキストを選んでしまうと理解に時間がかかりますので、覚えるのも大変です。
特に初心者が自分に合わないテキストを使い続けると考え方や覚え方に変な癖がついてしまいます。
最悪の場合、意味を勘違いしてしまったり、勘違いしたまま覚えてしまいます。
従って、必ず内容を確認してから購入しましょう。
試し読みをしてみて解説の文章表現が自分にとってわかりやすいかどうかを確認してください。
カラーのテキスト
モノクロではなく色を多用したカラーのテキストをおすすめします。
人はカラーのほうが目に留まりやすく見やすくなるからです。
またカラーだと印象に残りやすく記憶に定着しやすくなります。
さらにモノクロに比べてカラーのほうが記憶できる量が増加するという研究結果も出ています。
カラーは見やすく理解しやすいだけでなく記憶に定着し、記憶できる量も増加させる効果があるのです。
ページ数が多すぎないもの
人は繰り返し勉強することで理解が深まり記憶に定着します。
繰り返し勉強するためにはテキストの分量が重要となります。
分量が多すぎると繰り返して勉強することが困難なので、ページ数が多すぎないものを選びましょう。
また独学初心者は満点を目指すのではなく合格ラインを意識して勉強する必要があります。
満点を目指した学習をするのは法律初学者の場合、時間的に難しいでしょう。
大切なのは満点を取ることではなく、試験に合格することです。
従って、試験範囲のすべてを網羅する必要はありません。
図表やイラストを多用しているもの
行政書士試験は法律試験なので、どうしても文章がメインとなります。
しかし文章ばかりだと次第に飽きてしまったり、知識が混乱したりとデメリットも出てきます。
そこで必要なってくるのが図表やイラストなどです。
図表があれば視覚的に内容を理解することができます。
比較することもできるので間違えやすい箇所や混乱しそうな箇所を整理して覚えることもできます。
イラストが多いテキストは子供っぽくてちょっと・・・という人もいるかもしれません。
しかし難しそうなテキスト=良書ではありません。
文章だけだとどうしても飽きてしまいます。
独学初心者が最も気をつけたいのは勉強に飽きてきて途中で挫折してしまうことです。
イラストを使うことでイメージが湧きやすくなったり、難解な法律用語も馴染みやすくしてくれる効果があります。
メモ欄や余白があるもの
テキストも完璧ではありません。
そのテキストに掲載されていない情報もあるので、そういった情報を追記したりします。
また、解説を読んでも理解できないこともあるので、解説を自分の言葉でわかりやすく書き足すこともあります。
その為、メモ欄や余白が必要なのです。
メモ欄や余白がないと狭いスペースに書き込むことになり、読みづらくなってしまいます。
おすすめのテキスト(参考書)や問題集
独学初心者におすすめのテキストなどを紹介します。
おすすめテキスト
合格革命行政書士基本テキスト
大手予備校のTACから出版されている行政書士試験対策の王道とも言えるテキストです。憲法などの法令科目はもちろん、一般知識にも対応しており、行政書士試験科目をコンパクトにまとめた1冊です。
みんなが欲しかった!行政書士の教科書
こちらもTACから出版されているテキストで、ベストセラー「みんな欲しかった」シリーズの行政書士試験用テキストです。合格革命よりもカラフルで、より初学者を意識した作りとなっています。合格革命よりもページ数が多いですが、科目ごとに分冊できるようになっているので、進行中の分野だけ持ち運ぶことができます。
「よくわかる」シリーズ
「よくわかる」シリーズは科目毎にテキストが出版されているので通常のテキストでは掲載しきれないところまで、詳細な情報を収録しています。
初学者だけでなく、受験経験者にもおすすめできるテキストです。
1冊にまとまったテキストで物足りないという人は個別にこのテキストを用意しても良いと思います。
但し、あくまでも物足りないという人です。
恐らくは1冊にまとまった合格革命などのテキストだけでも、こなすのに苦労すると思われます。
下手にあれこれ手を出すよりも、初学者は1冊のテキストを繰り返し勉強したほうが効率的です。
全部を購入しても、手に負えない可能性があるので、余裕がある人は苦手科目のものや行政法、民法の購入を検討してみてください。
公務員試験 速攻の時事
公務員試験の時事問題対策として人気のテキストです。一般知識では時事問題も出題されていますが、時事問題に関しては普段の生活のなかで、ニュースを見たり新聞を読んでいれば、さほど勉強する必要はありません。ニュースを見る時間がない、新聞を取ってないという人はこちらのテキストで学習しましょう。
公務員試験文章理解すぐ解ける直感ルールブック
文章理解用のテキストでおすすめなのがこちらです。文章理解問題の解き方のテクニックなどが記載されており、何年も前に出版されたテキストですが今も支持されている良書です。
法律家・法務担当者のためのIT技術用語辞典
情報通信におすすめのテキストです。難しそうに見える本ですが、内容としては基本的なことが記載されています。インターネットの仕組みや情報通信技術、情報セキュリティなど行政書士試験によく出る分野が丁寧に書かれていますし、法律家・法務担当者向けに書かれた本なので行政書士試験対策におすすめの1冊です。
※一般知識のテキストについては用意するかどうか微妙なところです。勉強しなくても得点できる人もいるからです。またテキストを購入してもやる時間がないかもしれません。苦手分野がある人はそこだけ購入しましょう。
おすすめ問題集
独学初学者は基本問題から演習することをおすすめします。
合格革命行政書士基本問題集
「合格革命行政書士基本問題集」は過去問の重要問題を中心に掲載されていますが、過去問だけでなくオリジナル問題も交えて収録しています。過去問だけだと各テーマにどうしても偏りが出てしまいますが、そこをオリジナル問題で補充しているので問題を解きながら自然と各テーマを満遍なく学ぶことができます。基本テキストともリンクしているので復習にも最適です。
合格革命行政書士肢別過去問集は過去問を1肢ごとに分解して一問一答式にした問題集です。過去問の一問一答式問題集という感じです。
おすすめ判例集
判例からの出題も多いので判例集は用意しておいた方が無難です。
こちらの判例集は読みやすく比較的初学者向けのような判例集です。
同じ著者で以前は「パーフェクト行政書士 重要判例集」というものがありました。今はこちらの判例集を作成しているようです。
おすすめ六法
六法に関しては用意すべきという意見といらないという意見があります。
私は用意しませんでしたが、他の先生が使っていた六法を見て、使っても良かったかなと今は思います。
見やすく初学者にもおすすめできる六法です。
上記の「行政書士試験六法」より見やすさでは劣る感じはしますが、情報量としては上回っています。
独学2年目のテキスト(参考書)について
独学2年目の場合、なるべくテキストは買い替えたほうが良いでしょう。
その理由は以下の通りです。
・試験の傾向が変わっている可能性がある
・法改正に対応していない
・試験委員が変わっている可能性がある
また、1年目に初学者向けのようなテキストを使っていた場合、2年目はそのテキストでは効果が期待できず物足りなくなると思われます。
1年目に合格できなかったということは、勉強時間が足りなかったか、勉強のやり方が間違っていたか、のどちらかか、又はその両方です。
勉強時間は十分だったというのであれば、やり方を間違えていた可能性が高いです。
受験2年目なので基礎はできている、と思うでしょうが、意外と基礎が疎かになっていることがあるので新しいテキストで一からやり直したほうが良いでしょう。
また受験2年目の人は科目がまとまったテキストや問題集ではなく個別に用意して苦手科目などの対策しましょう。
商法・会社法、一般知識の文章理解問題、記述式問題などなど。
【まとめ】テキストは使い倒してこそ意味がある
さて、ここまで独学初心者におすすめのテキストや問題集をご紹介してきましたが、これらは行政書士試験の勉強の相棒になるものたちです。
よくテキストや問題集を買って満足してしまう人がいますが、ボロボロに使い倒してこそ、この参考書たちが生まれてきた意味があるのです。
どんな良書でも使わなかったら勿体ないですよね。
テキストや問題集を購入したら、大いに活用して勉強に励んでくださいね。
以上、独学初心者におすすめのテキストは?でした。
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