行政書士試験を目指そうと考える場合に最初に浮かぶ勉強法が独学だと思います。
しかし行政書士試験において独学は意外と難しいものです。
そこで今回は行政書士試験の独学勉強法について解説していきます。
独学の費用はどれくらい?
ここで言う独学とは予備校や通信講座を利用するのではなく、市販のテキストなどを購入し自分ひとりで勉強していく方法のことを言います。
まずは最初に行政書士試験を独学で勉強する場合の費用について見ていきましょう。
- 基本書のテキスト 3,000円
- 過去問題集 4,000円
- 一問一答の問題集 2,000円
- 判例集 3,000円
- 六法 4,000円
- 一般知識対策本 2,000〜13,000円
- 模試 20,000〜30,000円
上記の教材を揃える場合、最低でも約38,000円ほどかかります。
独学の主な費用はテキストや問題集などの書籍代です。
これらの費用は必ずかかるものではなく、抑えようと思えばコストカットできるところもあります。
テキストや問題集を用意しよう
行政書士試験対策としてテキストや問題集は色々と出版されています。
すべての科目がまとめられたテキストがあり、その1冊だけで受験勉強されている方もいるかもしれませんが、それはあまりおすすめできません。
テキスト以外にも問題集や判例集、六法などが必要となってきます。
初めて行政書士試験の勉強をするという人は基本書となるテキストを必ず購入しましょう。
テキストはすべての科目がまとまったもので構いません。
出来れば科目ごとに個別で用意したいところですが、そうするとかなりのボリュームとなるので初学者は1冊にまとまったテキストで良いと思います。
問題集は一般的にオリジナル問題集と過去問題集に分かれます。
過去問題集は購入するかと思いますが、できればオリジナル問題集も用意しておきましょう。
というのも過去問だけでは演習量が足りないからです。
行政書士試験の過去問は合格道場というサイトで無料で問題と解説を見ることができます。
なので過去問題集はいらないように思えます。
しかし、一問一答式の過去問題集も用意しておくことをおすすめします。
というのも合格道場の無料で見られる過去問は、そのまま掲載しているので通常通り5肢択一式となっています。
5肢択一式だと他の選択肢から予想して解答を導き出すことが可能な場合があり学習の効果が低下してしまうため問題集は一問一答式をおすすめしています。
また解説を読んでも理解できないということがあるので、色々な解説が読めるというのは大きなメリットです。
判例集は絶対に用意しなければならないものではありません。
テキストや過去問でも判例が掲載されているので、ある程度は学習することができます。
判例集を用意しなくても合格したという人もいるでしょう。
しかし、個人的には用意したほうが良いと思います。
判例からの出題に対応するには、その判例を知っているかどうかが鍵となります。
そのため出来るだけ多くの判例に触れておく必要があるのです。
多くの判例に触れるためには判例集を使うと便利です。
六法については用意するか意見がわかれるところだと思います。
今はネットでも法律を確認できるのでいらないという意見もあります。
個人的には、ないよりあったほうがいいとは思います。
六法は行政書士試験用のものが出版されており、条文だけでなく判例や過去問なども掲載されているので条文に関連付けて知識の幅を拡げることができるからです。
また、すぐに調べられるというメリットもあります。
学習の補助的な役割を果たすものなので、ネットで検索するほうが面倒だ、という人は購入すると良いでしょう。
一般知識の対策本も必ず必要なものではありません。
苦手だという人は用意してください。
一般知識の対策本を用意する際は、一般知識が全体的に苦手な人は総合テキストを、一部の科目が苦手な人は対象の科目専用のテキストを用意しましょう。
【独学で用意すべき教材一覧】
- 基本書のテキスト
- 過去問題集
- 一問一答の問題集
- 判例集
- 六法
- 一般知識対策本
独学のスケジュールとは?
受験勉強においてはスケジュールか大切です。
特に独学の場合は、セルフコントロールが大事になるので、きちんとスケジュールを立てて管理していきましょう。
具体的には年間スケジュールを立てます。
いつまでに何の科目を終わらせるかという感じに決めていきます。
ただ決めるのではなく、達成可能なスケジュールなのかを考えてください。
例えば、年間スケジュールを立てた際に行政法のテキスト勉強を1ヶ月で終わらせる必要があるとします。
テキストが400ページとすると単純に1日13ページほどすすめていく計算となります。
勉強できない日を考慮すると1日15ページほどになるでしょう。
これが実現可能かどうかを考えて計画に落とし込んでいきます。
スケジュールを立てるポイントは細かく決め過ぎないこととフリーの日を設けることです。
細か過ぎると窮屈になってしまいますし、実行するのも大変です。
フリーの日を入れる理由は、イレギュラーな予定変更を修正するためです。
病気や付き合いなどで勉強できないときもあります。
そういったイレギュラーなことを吸収できる日を設けておくとスケジュールがずれません。
またスケジュールを立てて満足してはいけません。
そのスケジュールを実際に実行してこそ意味があるのですから。
独学のおすすめ勉強法
独学の勉強法について解説していきます。
独学の勉強法は基礎的なことはテキストで学び、その知識をもとに問題集などでアウトプットしていきます。
基本的には、この繰り返しです。
これにプラスして判例集を利用して学習したり、模試を受験して、より合格への確率を上げていきます。
行政法と民法に力を入れる
行政書士試験は行政法と民法からの出題が最も多いです。
従ってこの2つを中心に勉強していきます。
行政法と民法だけは個別にテキストを用意しても良いと思います。
それだけ重要な科目です。
この2つの成績が行政書士試験の合否を分けることになるでしょう。
同じ教材を繰り返す
人は繰り返し勉強することで理解が深まり、記憶に定着します。
従って、あれこれ手を出すのではなく同じ教材を繰り返し勉強しましょう。
繰り返せば繰り返すほど、理解が深まり力がついてきます。
問題集は一問一答
上記でも述べましたが問題集は一問一答式がおすすめです。
過去問は5肢択一式なので他の選択肢から答えを予想できたり、消去法から答えを導き出すこともできます。
これでは勉強効果が低下してしまうので、一問一答式の問題集を使います。
一問一答式はその問題そのものの正誤を判断するため、純粋に問題に向き合うことができます。
学習的には、こちらのほうが効果的と言えるでしょう。
過去問で勉強
行政書士試験では過去問を中心に勉強していくスタイルが一般的です。
過去問では知識を得るだけでなく解き方も勉強しましょう。
過去問題集には解法テクニックを掲載しているものが多いので解き方を学ぶことができます。
また過去問ではインプットよりもアウトプットに力を入れてください。
過去問でインプットし過ぎてしてしまうと答えを覚えてしまう可能性があります。
インプットも大事ですがアウトプットも同じくらい大事です。
過去問では持っている知識を引き出す練習をしましょう。
勉強場所
独学は主に自宅で勉強することになりますが、必ず自宅で勉強しなければならないというわけではありません。
勉強場所は自宅以外にも沢山あります。
どこで勉強するかは自由です。
それが独学のメリットとも言えるでしょう。
自宅は意外と誘惑が多いので、自宅以外の勉強場所も確保しておくと良いと思います。
隙間時間を利用する
行政書士試験の受験生は社会人が多いです。
社会人の場合、まとまった勉強時間がとりにくいものです。
その場合、隙間時間を利用して勉強していく必要があります。
通勤時間や昼休みなどなど。
まとまった勉強時間がとれなくても、隙間時間を利用することで意外と勉強時間が取れるものです。
モチベーションをコントロール
勉強にとって一番大事なのは、モチベーションです。
モチベーションが高いときは学習の効果も高いですが、逆に低い場合、同じ勉強をしても効果は低下してしまいます。
勉強するときにモチベーションを上げておけば効果を高めることができるのです。
そこで勉強に入る前にモチベーションを上げておきましょう。
モチベーションの上げ方は人それぞれです。
音楽や映画、先人の言葉。
モチベーションを上げる方法は自分で見つけるしかありません。
過去にどんなことでモチベーションが上がったか思い出してみましょう。
オリジナルの勉強法を見つける
独学の勉強法は色々とありますが、自分のオリジナル勉強法を確立することが大事です。
独学で合格する人は自分の勉強法を持っています。
オリジナル勉強法は学習の効果を最大限引き出してくれます。
しかしオリジナル勉強法は、どんな勉強法が自分に合っているか、どんな勉強法が自分に効果があるのかを自分で見つけていく必要があります。
そのために勉強しながら常に考え、工夫し続けましょう。
そうすると次第に勉強の効率を上げていく方法が見えてきます。
模試を受ける
各予備校では模試を実施しています。
独学の場合でも模試を受けておきましょう。
模試には様々なメリットがあります。
1つは自己分析です。
模試を受けることによって何が得意なのか、何が苦手なのかが客観的に判断できます。
模試で判明した苦手分野を重点的に勉強していきましょう。
もうひとつのメリットが試験の雰囲気を感じることができる点です。
行政書士試験は1問あたり2分ほどで解かなければなりません。
試験時間は3時間もありますが、意外と時間が足りず、時間との戦いとも言えます。
試験の雰囲気を感じることで本試験の対策を立てることができます。
また模試は予想問題としても利用できます。
模試は過去の試験や試験委員などを研究し、受験生に提供しています。
模試で出題された問題が本試験でも出題されることがあるので独学の人でも予備校の模試を受けておくことをおすすめします。
独学の注意点とは?
独学にはメリットもありますがデメリットもあります。
質問ができない
予備校や通信講座ではわからないところを質問することができます。
しかし独学では質問する相手がいません。
自分で調べるしかないので時間がかかるというデメリットがあります。
独学の人で質問する相手がいない場合は、合格道場の掲示板を利用すると良いでしょう。
合格道場は無料で過去問の利用ができるサイトです。
合格道場では掲示板があるので、そこで質問をしてみましょう。
挫折しやすい
独学は勉強するもしないも自分次第です。
そのためモチベーションを維持するのが意外と大変です。
モチベーションが低下すると学習効率が低下するどころか最悪、挫折する可能性もあります。
また、勉強方法の研究やスケジュール管理なども自分でしなければならず、挫折しやすいポイントが数多くあります。
予備校や通信講座ではその点を補ってくれますが、独学ではすべて自分で行わなければなりません。
手を広げ過ぎない
独学で勉強していると、勉強方法やテキストについてなどに不安を募らせていくことがあります。
すると新しいテキストや問題集を購入したり、手を広げてしまいます。
時期的に間に合えば良いですが、新しいテキストに手を広げることはタブーとされています。
その理由としては新しいことに取り組むより、今までの勉強を続けるほうが効果が期待できることにあります。
【まとめ】独学はオリジナル勉強法を見つけた人の勝ち
合格体験記などを読んでみるとわかると思いますが、合格者の勉強方法は人それぞれ違います。
合格した人は皆「これだ!」というオリジナルの勉強法があります。
独学の場合は特にそのことが言えるでしょう。
どんな勉強のスタイルや方法が自分に適しているかは実際にやってみないとわかりません。
なので最初は色々と試してみることをおすすめします。
試行錯誤しながら自分なりのオリジナル勉強法を見つけましょう。
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