行政書士試験を受験しようと考えている方のなかには受験まであまり時間がないという人もいるかと思います。
巷では行政書士試験を1ヶ月や2ヶ月で合格するとかいった情報も見受けられます。
しかし果たして本当に短期間で行政書士試験に合格できるのでしょうか?
今回は行政書士試験に短期間で合格できるのかについて解説していきます。

 

 

月別短期合格

 

 

個人的には行政書士試験の勉強期間は1年間くらいは設けて欲しいと思いますが、独学で短期合格となると、大体6ヶ月以内であれば短期合格となるのではないでしょうか。

 

では日程別に短期合格できるか考察していきます。

 

 

1ヶ月

 

まず1ヶ月で行政書士試験に合格できるのかを考えてみます。
時期的言うと10月です。

 

1ヶ月で行政書士試験合格を目指すのは、はっきり言って無謀でしょう。
司法試験の勉強をしてきたような法律学習経験者ならば合格できるかもしれませんが法律初学者の場合、合格する確率はかなり低いと言えます。
1ヶ月では1科目くらいしか勉強できないと思いますので、最も出題数の多い行政法に絞って勉強することになるでしょう。

 

それよりも黙って来年の受験のために勉強しておいた方が効率的です。
ただし、受験を申し込んでいる場合は必ず受験してください。
受験時の対策は受験経験があるほど立てやすいです。
受験をすること自体に大きなメリットがありますので、無理だと思ったとしても受験しておくことをおすすめします。

 

 

2ヶ月

 

9月から行政書士試験の勉強を開始するかたちです。

 

1ヶ月と同様、2ヶ月でも合格するのは至難の業です。
本来ならば法律初学者の場合、基礎法学から学びたいところですが時間的に余裕がないため、出題数の多い行政法と民法の2つに絞って勉強するのが良いと思います。
ひたすら模試を受けて、模試を重点的に学習する方法もあります。

 

現実的ではありませんが相当の努力をすれば奇跡的に合格するかもしれません。

 

 

3ヶ月

 

8月から行政書士試験の勉強を開始するかたちです。
ちょうど、受験の申込みをする時期です。

 

まだまだ可能性としては低いですが、3ヶ月あたりから少し短期合格の現実味を帯びてきます。
行政法と民法の2つをメインに勉強しつつ基礎法学と憲法も学習しておきたいです。
まずは基礎法学を学習し法律の基礎を身につけ行政法と民法を学習します。
行政法と民法はすべてを学習するのは難しいので重要な条文や頻出事項を重点的に学習することになります。
残りの時間で憲法を学習するのが良いでしょう。
また模試もできるだけ受けておき、徹底的に復習をおこないます。

 

 

4ヶ月

 

7月から行政書士試験の勉強を開始します。

 

ここでも3ヶ月の時と同様、行政法と民法が学習のメインとなります。
基礎法学から学び、行政法と民法を学習します。
そして憲法も学習しましょう。

 

もうひとつ学習する科目を何にするか悩むところですが、足切りを回避するために一般知識の勉強をするのが良いと思われます。
商法は時間的に余裕がないので捨てましょう。

 

 

5〜6ヶ月

 

時期的には5〜6月から行政書士試験の勉強を開始するかたちです。

 

この時期あたりから行政書士試験の勉強を開始する人が増え始めると思います。
予備校や通信講座などでも6ヶ月で合格できる、と宣伝しているところも多いです。
これくらいの時期であれば試験科目のすべてを学習することが可能になってきます。
基礎法学を最初に学び、行政法と民法をメインに学習します。
憲法や一般知識の勉強もしておきます。
商法に関しては学習するか悩むところです。
余裕があれば基礎的な事項や重要条文を確認しておきましょう。




短期合格のコツ

 

短期合格を目指す場合、浅く広く勉強するより科目を絞って重点的に学習していくのがコツです。
試験範囲の全体を短期間で学習しても付け焼き刃の知識なので、ほぼ歯が立たないでしょう。
それよりも科目を絞って確実に得点できるところを増やしていくほうが現実的です。
科目を絞る際は、出題数の多い科目を優先したり試験範囲と出題数を比較して絞っていくことがポイントです。

 

科目の優先度

 

基礎法学

 

憲法

 

行政法

 

民法

 

商法

 

一般知識

 

優先度が最も高いのは行政法となります。
行政法は行政書士試験のなかで最も出題数の多い科目だからです。

 

次いで民法です。
この2つは配点の高い記述式も出題されるため、確実に学習しておきたい科目です。

 

反対に優先度が最も低いのは、商法です。
商法は条文数が多い割に出題数の少ない科目です。
そのため、最初から学習しないと決め、捨ててしまう受験生もいます。

 

合格基準点ぎりぎりを狙う

短期合格を狙う場合、通常よりも時間が限られているので満点を狙うような勉強は無理があります。
そこで合格基準点ぎりぎりを狙うような勉強が必要です。
試験範囲のすべてを勉強することは難しいので、範囲を絞って学習します。
例えば、重要条文や頻出問題に絞って勉強する、商法は勉強時間を限定するといったことです。

 

手を広げ過ぎない

勉強を続けていると、ついつい、あれこれと手を広げたくなるものです。
自分の勉強方法に疑問を感じたり、新しいテキストに目移りすることがあります。
しかし短期合格を狙う場合、こういったことに時間を使っている暇はありません。
途中での軌道修正は大きなロスタイムとなるので、最初に決めた勉強方法やテキストで首尾一貫して取り組みましょう。

 

 

短期合格の可能性はゼロではない

ここまで短期合格について解説していきましたが、短期合格の可能性はかなり低いということがわかると思います。

 

しかし可能性がゼロというわけではありません。
受験の申し込みは8月下旬あたりまでなので、短期合格を目指す場合、最短で2ヶ月となるでしょうか。
行政書士試験の勉強の開始が遅くて、あまり学習できないという人でも、とりあえず受験してみることをおすすめします。
奇跡的に合格するかもしれませんし、何より本試験を経験できるというのは翌年も受験を考えている人にとって大きなメリットです。




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