共に人気資格の行政書士と宅建。
その両方を取得してダブルライセンスとして活躍したいと考えている人もいるでしょう。

 

では、行政書士と宅建のダブルライセンスにはどんなメリットがあるのでしょうか。

 

 

 

試験科目が重複しているものがある

まず、行政書士と宅建の試験科目を見ていきましょう。

 

行政書士試験の科目一覧

【行政書士の業務に関し必要な法令等】
憲法、行政法の一般的な法理論、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法、地方自治法、民法、基礎法学

 

【行政書士の業務に関連する一般知識等】
政治・経済・社会、情報通信・個人情報、文章理解

 

宅建試験の科目一覧

民法(権利関係)、借地借家法、不動産登記法、区分所有法、国土利用計画法、都市計画法、建築基準法、土地区画整理法、農地法、宅地造成等規制法、税法、地価公示法、住宅金融支援機構法、公正競争規約、宅建業法

 

行政書士試験と宅建試験では民法が重複しています。
また過去には行政書士試験で借地借家法など宅建の試験科目に関連した問題が出題されたこともあります。
このように試験科目が重複しているものがあることや同じ法律系の試験であることから、宅建と行政書士を同時に狙うことができるという点でメリットがあると言えます。

 

試験日も宅建の試験は10月に行われるので、まずは宅建の試験に挑み、続いて11月の行政書士試験に挑むということができます。
同じ年度ではなく、まずは宅建の資格を取ってからステップアップとして行政書士試験に挑む方も多いです。

 

 

仕事の面でのメリット

次に仕事の面でのメリットを見ていきましょう。

 

行政書士は独立開業型の資格と言われています。
求人そのものが少ないため、多くの合格者は資格を取って独立します。
反対に宅建は就職や転職、会社内のキャリアアップとして取得する人が多いです。

 

独立型の行政書士、就職・転職型の宅建。
相反するように感じるかもしれませんが、宅建の資格を取って独立するという方法もあります。
なので、行政書士と宅建のダブルライセンスで独立するという方法もあるのです。

 

では行政書士と宅建のダブルライセンスで独立した場合、どんなメリットがあるのでしょうか。
行政書士という職業は業務範囲が広い業種です。
許認可申請や遺言、相続手続きなどもします。
例えば、許認可申請で顧客となった社長が不動産を探している場合に仲介して手数料を貰うという方法があります。
また相続手続きで売却する不動産を仲介する方法もありますね。
特に相続手続きは不動産が絡む案件が多いのでチャンスはありそうです。
不動産仲介の手数料は売買が高いので、上手くいけば大きな収入が見込めそうです。
また、宅建業免許申請も行政書士業務なので、実際に自分で申請した経験をもとに業務に活かせるというメリットもあります。

 




ダブル受験は現実的ではない?

行政書士試験と宅建試験では同じ試験科目として民法がありますが、それ以外では重複している科目はありません。
そのため、同時に勉強するとどちらも中途半端に終わって、どちらも合格できないという結果も想定されます。
従って、一般的にはどちらかに専念して勉強する方が効率が良いと考えられています。

 

では、まずはどちらを優先すべきか。
一般的には宅建試験の方が難易度が低いので、宅建から取得して行政書士試験に挑戦するという流れが多いようです。
しかし、どちらを優先すべきかは、とても難しいところです。
個人的には行政書士試験に集中するのが良いかなと思います。
行政書士試験の方が難易度が高いのですが、行政書士試験に合格できれば宅建試験も合格できる可能性が高いと考えられるからです。
反対に宅建試験から受験して合格した後、行政書士試験に挑んで難易度の高さに挫折する危険性もあります。
宅建試験は難易度が低いと言われますが、それでも合格率15%前後の狭き門です。
苦労して宅建に合格した人は、次に行政書士試験に挑むとさらに難易度が高いことに対して、モチベーションが低下してしまうかもしれません。
だったら最初から難易度の高い行政書士試験に挑戦して、次に宅建に挑んだ方が気持ち的にも楽だと思います。

 

とは言え、最初から難易度の高い行政書士試験に挑んでもなかなか合格できない可能性もありますし、そもそも行政書士で挫折してしまう可能性もあります。
宅建試験を受験して、法律の勉強に慣れた状態で行政書士試験の勉強をすれば効率が良いとも考えられますし、これは難しい選択だと思います。

 

また、どちらを本業とするかで決めても良いかもしれません。
行政書士をメインとして、副業的に不動産業をするのであれば、まずは行政書士試験に専念するべきです。
反対に不動産業をメインとして、副業的に行政書士業務を考えているのであれば、宅建試験に専念するべきでしょう。

 

 

まとめ

  • 試験科目は民法が重複している
  • 同じ法律系資格という点で勉強がしやすい
  • 活かし方によっては仕事でもメリットが大きい
  • ダブル受験は難易度が高い

 

さて、いかがでしたか?
今回は行政書士と宅建のダブルライセンスのメリットについて解説させていただきました。

 

行政書士と宅建のダブルライセンスは活かし方によっては仕事の面でもメリットがあると思います。
試験科目については民法しか重複していませんが、法律の学習という点では類似点が多いので対策もしやすいでしょう。

 

以上、行政書士と宅建のダブルライセンスにはどんなメリットがある?でした。




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