受験勉強においては過去問を繰り返し勉強することが重要となります。
行政書士試験でも過去問は重要な勉強ツールです。
しかし過去問を繰り返し勉強することについては意見が分かれるところがあります。
そこで行政書士試験において過去問を繰り返し勉強すべきかどうかについて解説していきます。
一般的な勉強方法では過去問を繰り返し勉強することで合格に近づくと言われています。
これは試験にある程度の傾向があり、過去問を繰り返し勉強することで一定のパターンを掴むことができるからです。
パターンがわかれば、あとはそこを重点的に勉強していけば良いのです。
問題文や数字が変わってもパターンに当てはめれば良いだけです。
しかし、行政書士試験においては過去問を繰り返し勉強することの意味について意見が割れています。
過去問を繰り返し勉強することに否定的な意見としては、行政書士試験ではパターンを掴むことが困難であることが挙げられます。
行政書士試験では過去問を繰り返し勉強してもパターンはわかりません。
なぜパターンが掴めないかというと同じパターンの問題は出題されないからです。
行政書士試験の範囲が広いです。
行政書士試験は憲法や行政法、民法、商法、基礎法学といった科目から出題されます。
行政法は行政法の一般的な法理論、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法、地方自治法といった幅広い分野から出題され、民法や商法・会社法は1,000条ほどの条文があります。
これらが出題範囲となっているので、過去問とは違う問題をいくらでも出題させることができます。
そのため、過去問を繰り返しても試験研究することはできず、傾向を掴むのが難しいのです。
逆に過去問を繰り返し勉強しても成果が出ずに自信を失ってしまうこともあります。
また、過去問の問題数が少ないという理由もあります。
行政書士試験は法令科目が46問出題されます。
仮にこれを10年分やったとしても460問にしかなりません。
民法だけでも1,000条ほどあるため、過去問だけでは演習不足なのです。
こういう話になると、なら過去問は勉強しなくていいのかという話になりますが、そうとも言えません。
過去問を繰り返し勉強することを否定=過去問を勉強する必要がない
ということではありません。
確かに過去問の内容を変えずにそのまま出題されることは少ないですが、文章や形を変えて似たような問題が出題されることはあります。
そのため過去問を勉強していれば解ける問題もある程度はあるのです。
ここで大事なのは頻出問題を中心に勉強することです。
行政書士試験ではその年だけしか出題されないようなレアな問題もあります。
そのような問題は勉強してもあまり意味はありません。
それよりも頻出問題を勉強したほうが合格の確率は高いと言えます。
また最も重要なのは、頻出問題の内容を形を変えられても正解できるようにするということです。
同じ形で出題はされませんので、頻出問題から知識を派生させて様々な角度から答えられるようにしておきましょう。
そして過去問からはパターンや傾向を掴むのは難しいですが、過去問を勉強することで本試験のレベルを肌で感じることができるというメリットもあります。
なので最低でも2、3回は過去問を勉強しておきましょう。
否定的な意見が多いなか、なぜ過去問を繰り返し勉強することを推奨する意見があるのでしょうか?
その大きな理由が、それしか手段がないということが言えます。
行政書士試験は上記の通り、出題範囲が広いです。
極端な話、すべての条文と判例を網羅すれば合格できるでしょう。
しかし闇雲に勉強していたら時間がいくらあっても足りません。
そこで過去問を使って勉強している人が多いのです。
反対に過去問を使わないとしたら、どのように勉強するのでしょうか。
また過去問からパターンを掴むことはできないと言いましたが、それは受験生においての話です。
実際には、過去問と全く同じ出題というのは少ないですが、似たような問題は出題されています。
しかし、形式を変えたり、問題文を変えたりしていますので受験生には気づきにくいのです。
では、そこに誰が気づくかというと各予備校や通信講座の講師や出版社の編集者たちです。
これらの機関は過去問を必死に研究しています。
その中から少ない傾向を探り当て受験生に提供しているのです。
なので、その情報をもとに作られたテキストや過去問題集を勉強することで自然と合格ライン近くまでレベルを引き上げることができます。
資格学校や出版社のテキストと過去問題集をきちんと勉強していれば、合格ライン付近まではレベルを上げれます。
しかし、それでもギリギリ合格には届かないでしょう。
あと一歩で合格に届かないのが行政書士試験なのです。
実際、160〜170点代からなかなか抜け出せないという受験生もいるはずです。
それは、そうなるように試験が作られているからだと思われます。
過去問だけで合格できる試験ならば、そんなことにはならないはずです。
従って、過去問は重要ですが、頼りすぎると合格は出来ません。
そこでプラスαが必要となってくるのです。
テキストと過去問題集で合格ラインぎりぎりから合格ラインを突破させるプラスαです。
具体的にはオリジナル問題集や各予備校の模試、個別試験対策、予想問題集、判例集といったその他のツールです。
テキストでインプットし、過去問題集や基本問題集でアウトプット。
これを繰り返し、合格ラインまでレベルを引き上げる。
足りない部分を模試や予想問題集などで補う。
これが一番ベストな方法なのです。
一問一答式出るとこ千問ノック
上記の「合格革命行政書士肢別過去問集」に対して、「一問一答式出るとこ千問ノック」は過去問ではなくオリジナル問題の一問一答式問題集です。過去問をやり尽くしたという人や過去問だけでは物足りないという人におすすめの問題集です。オリジナル問題ですが、基本テキストと連動しているので、解説を読んでも理解できない部分についてはテキストで確認することができます。
法改正と直前予想模試
合格革命シリーズの総まとめとなる問題集です。法改正の情報や本試験を意識した予想模試が3回分掲載されています。特に法改正の情報は必ずチェックしておきたい項目です。
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