過去問には正しい使い方があります。
受験勉強において過去問で勉強することは重要であり、それは行政書士試験においても同じです。
しかし使い方を間違えてしまい残念ながら合格できないという人が多くいます。
そこで私の経験も踏まえながら過去問の効果的な使い方を解説していきます。
ご自身の勉強の参考にしてください。

 

 

皆さんは過去問を目の前に出された時、どのように勉強しますか?

 

恐らく、まずは過去問を解き、答え合わせをして間違えたところを中心に解説を読んでいくと思います。
そして、これをひたすら繰り返していく。
一般的には、このような感じに勉強されていくと思います。

 

しかしただこれを繰り返していても行政書士試験では通用しません。
これで合格できるならだれも苦労はしませんよね。
よく過去問を何度も繰り返して合格した、という話を多く見聞きします。
皆さんも、そんな話を聞いたことがあると思います。
これは間違いではありません。
しかし、彼らは大事なことを伝え忘れていることが多いです。

 

勉強が得意な人、試験勉強に慣れている人は過去問を繰り返すだけで合格できるかもしれません。
問題はそうではない人です。

 

 

過去問を繰り返し勉強していけば知識も身についていきます。
しかし過去問で重要なのは知識を得ることより解き方を覚えることです。
解答を導き出すためのアプローチ方法と言ってもいいです。

 

例えば、行ったことのない目的地に地図を頼りに行くとします。
最初は目印などを頼りに行くので時間がかかると思います。
次は地図なしで行きます。
地図がなくても行ったことのある道なので、そのルート通りに行けば大丈夫ですよね。
ところが前に通った道は工事中で通れません。
でも、どのあたりに目的地があるかは知っているので別なルートを探して行けそうですよね。

 

つまり知識があることはもちろん大事なのですが、解き方を覚えるということも同じくらい大事なのです。
例え知識があっても、それを活かす解き方を知らなければ意味がないのです。
勉強が得意な人、試験勉強に慣れている人はこういう勉強をします。
しかし、そうでない人は解き方ではなく知識の方ばかりに集中してしまいます。
すると過去問がアレンジされた問題が出題されると、たちまちわからなくなるのです。
単純な言い方をすると1+1は解けるけど、1+2は解けなくなるという状況になります。
解き方を覚える人は、そのノウハウを蓄積して、解き方を組み合わせて対応します。
なので過去問がアレンジされた問題でも対応できるのです。

 

勉強が苦手な人、慣れていない人はこのことを知りません。
勉強が得意な人は苦手な人がそのことを知らないことを知りません。
なので勉強が得意な人が過去問で合格したという話をそのまま受けた勉強が得意ではない人は、過去問を繰り返し勉強しても合格できないのです。

 

 

受験勉強においては過去問を勉強することが大切です。
行政書士試験においても過去問を勉強することは、とても効果的な勉強方法のひとつです。

 

しかし、闇雲に勉強してもダメです。
行政書士の過去問は正しい使い方で勉強しなければ意味がありません。
私も過去問を中心に勉強していましたが、合格することができませんでした。
使い方を間違えていたのです。

 

勉強は大きく分けて、インプットとアウトプットの2つがあります。
インプットは知識を詰め込むこと、アウトプットはその知識を引き出せるようにすることです。
過去問の正しい使い方は、主にアウトプットのために勉強することです。
つまりインプットした知識をもとにアウトプット(問題が解ける)できるようになることです。
アウトプットを繰り返し解き方を覚えることが最大の目的です。
逆にインプット中心に勉強してしまうと、解き方ではなく問題や答えを覚えてしまい学習の効果が下がってしまいます。

 

過去問を解いてみて、全くわからないという人はインプット不足の可能性あります。
その場合は、過去問ではなく、テキストを読みなおしたり、簡単な基礎演習で勉強しインプットを強化しましょう。

 

 

過去問を解くときには、その理由も書く

過去問を解くときは、「何故、その解答を選んだのか」、「選ばなかったのか」の理由や根拠を記入しておくことをおすすめします。
「なんとなく」とかでは駄目ですよ。
他の人に説明できるような論理的な根拠です。

 

例えば、5肢択一の問題は、その選択肢ごとに、どこが合っているのか、どこが間違っているのか、5つ全てに理由や根拠を記入します。
そして、答え合わせをした時に、解説を見て、自分が考えた理由や根拠は正しかったのかを確認します。
もし、間違えたなら、何故、間違ったのかを解説だけでなくテキストや判例集などで、きちんと確認しましょう。

 

間違えた箇所というのは、理解していなかったか覚えていなかったところです。
そのどちらかで復習方法も違います。
理解できていない場合は、解説とテキストをよく読み、きちんと理解することに努めましょう。
覚えてなかった、忘れていた、という場合は記憶に定着していないので、定期的に読み返し、記憶に定着させましょう。

 

このように、同じテーマの問題が出題されたら、正解できるように対策をしていくことが重要です。

 

 

過去問は解説が大事

過去問の正しい勉強方法は、アウトプットのために学習することですが、間違ってしまう問題も当然あります。
また、正解したものの、自分が選んだ理由は間違っている場合もあります。

 

そんなときは過去問の解説がとても大事になってきます。
解説を読んで理解を深めていきましょう。

 

なかには正解のみで解説が記載されていない問題集もあるようです。
過去問題集を購入するときは必ず、解説が掲載されているものを買いましょう。
また解き方のポイントなども書かれていると尚良いです。

 

 

過去問の解説とテキストで理解する

過去問で間違った箇所は解説を読むことはもちろん大事なのですが、必ずテキストも確認するようにしてください。

 

解説だけだと、理解した気になってしまう危険性があるからです。
テキストを確認することで理解がより一層深まりますし、知識が整理されていきます。
また、テキストには派生した知識を掲載しているものもあります。
逆にテキストに書かれていないことがあったら自分でテキストに書き込んでしまいましょう。
そうすることで自分だけのオリジナルのテキストが出来上がっていきます。

 

そういった知識を総合的に入れていくことで知識の幅が広がっていくのです。
大事なのは、なぜそうなるのかを説明できるようになることです。
説明出来なければ、理解不足かインプット不足かのどちらかです。

 

 

過去問の解説を読んでもわからなければ徹底的に調べる

中には解説を読んでも、テキストを読んでも理解できないという問題もあります。
こういった問題は、一旦放っておきましょう。
暫くしたらもう一度確認してみてください。
ちょっと時間を置いたら理解できたということがよくあります。

 

特に行政書士試験の勉強を始めて間もない頃はこういったことがあります。
行政書士試験の勉強は、全体を理解していないと個別の箇所がわかりにくいものだからです。
従って、全体像をつかむとすっと理解できたということがあります。

 

もし、それでも理解できなければ、次は徹底的に調べます。
通学や通信講座で勉強している人は講師に聞けるのですが、独学で勉強されている人は聞ける人がいないというのがデメリットです。
独学で勉強している人は他のテキストや図書館などで情報を収集したり、ネットで調べることになります。
なかなか大変な作業ですが、この作業で得た知識というのは強烈に記憶に残りますのでメリットもあります。

 

 

過去問は何年分やればいいのか

行政書士試験の過去問は、あまり古いものをやっても意味がありません。
平成18年から試験の傾向や難易度が変わっているからです。

 

また、そもそも、古い(昭和や平成初期)過去問を入手するのも困難でしょう。
なるべく多くの問題に触れておくことをおすすめしますが、目安としては5〜10年分くらい勉強すれば良いと思います。




 

今までの過去問の正しい勉強法をまとめると

 

  • アウトプットのために過去問をやる
  • 問題を解くときに、理由や根拠を書く
  • 解説だけでなくテキストでも確認する
  • 理解できないところは徹底的に調べる

 

 

これらの勉強方法は記述式対策にも繋がります。
過去問を正しく使えば、それがそのまま記述式問題の対策にもなるのです。

 

記述式は例年、3問出題され1問20点で合計60点という高い配点です。
記述式でどれだけ得点できるかが合否を大きく分けることにもなります。

 

記述式の問題は、内容自体はそれほど難しいことを問われているわけではありません。
問われていることが全くわからないということはないはずです(わからなければインプット不足です)。
なんとなくわかるんだけど、うまく書けないということはアウトプットができないということなんです。

 

このアウトプットの訓練の為に過去問を活用して普段の勉強から記述式の問題の対策をしていくのが正しい過去問の使い方です。




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